私たちは、幸せな犬を増やす活動を通して、互いを尊重し合い、人と動物が共生する、調和のとれた社会の実現に貢献します

ビジョン(10年先の未来の社会像)

私たちは、理想的な社会のビジョンとして、以下のような状態となることを目指しています。

●犬猫を迎える選択肢として、保護施設が当たり前になっている。譲渡の仕組みが整い、保健所に行く犬猫が限りなくゼロになっている。
●適正飼育の意識が高まり、売る方も買う方も強い責任感を当たり前に抱いている。その結果、ペット飼育に関する迷惑行為が減り、飼っていない人たちも安心して生活できるようになっている。
●市場に迎合した不適切なブリーディングがなくなり、適正な生体販売やブリーディングが行われている。
●避難所にペットと同伴避難ができるようになる、社会福祉サービスの中でペットの世話も介護保険制度の枠内で実施できるようになる、ペットが公共交通機関を使えるようになるなど、法律や制度のレベルから、動物の存在を包括した制度設計が為されるようになっている。
●学校や病院などの公共施設で、動物とのふれあいの機会や、動物が活躍する機会が確保され、動物が人の社会にとってかけがえなく、より身近で、対等な存在となっている。

ミッション(HDTが担うこと)

私たちは、不幸な状況にある犬を支援し、幸せな犬を増やす活動を行います。

 

 現在の社会では、不幸な状況にある犬は無数に存在します。

保健所に収容されている犬だけでなく、ブリーダーの元で適切な管理を受けられていない犬、飼い主が高齢になったり健康上の理由などによって十分な世話を受けられていない犬、飼い主の犬に対する不適切な理解から体罰やネグレクトという名の虐待を受けている犬、野外で繁殖し危険と隣り合わせの環境で生きる犬…。

 

 支援しなければならない無数の犬がいる中、これらの犬を全て直接的に支援することは不可能です。

私たちHDTは、主に岐阜県内を対象とし、

①保健所に持ち込まれた犬

②やむを得ない事情で飼育放棄の危機に瀕している家庭犬

③ブリーダー崩壊/多頭飼育崩壊により溢れる犬

を支援し、幸せにすることをミッションとして活動します。

 

また、優先順位としては①②③の順番で対応します。

 

 私たちは、犬も人も幸せにすることを大切にしています。

そのため、やむを得ない事情で飼育放棄の危機に瀕している犬を支援することは、その飼い主を救う事にもつながり、支援する価値は高いと考えています。しかしながら、保健所に犬がいる現状では、殺処分の危機にある、緊急度の高い保健所の犬を最優先とし、並行して飼育放棄の危機に瀕する家庭犬の対応を進めます。

 

また、ブリーダー崩壊や多頭飼育崩壊では、多数の団体が関わり緊急的な保護を実施する必要があることから、これらに対しても、収容可能な枠があれば対応します。

 

 このような優先順位とする理由は、行政では技術面・施設面で対応しきれない犬を保護すると共に、行政の手が届きにくい部分で苦しむ犬を救うことによって、地域社会の犬を幸せにし、さらにその犬を取り巻く人々の幸せをも実現できうると考えるからです。

 

 ただし、実際に引き取る犬については、HDTの有する資源・技術に鑑み、現実的に対応できない犬については、引き取りを行わないこととします。現状では、特に問題行動や疾患のない犬、軽度の問題行動や、治療可能な疾患のある犬については対応を行っていきます。

 

大切にする価値観大切にする価値観

HDTは上記ミッションを遂行するにあたって、以下の価値観を大切にします

犬の幸せを大切にする

私たちが考える犬の幸せとは、家庭に迎えられ、家族に愛されて生活することです。

そのため、私たちが保護する犬はすべて、病気があっても、高齢であっても、問題行動があっても、最後まで諦めず、家庭への譲渡を目指します。高齢で介護が必要な犬の場合、一般の家庭に迎えられることは難しいかもしれませんが、看取りボランティアを募集する等の形で、家庭に行けるように努力し続けます。

 

 また、シェルターにいる犬も幸せにしなければならないと考えていますが、

シェルター内では、あらゆることをやってあげることはできないことも承知しています。

我々が守るべき最低限の犬の幸せとして、動物福祉の5つの自由の確保が挙げられます。

動物福祉の5つの自由とは、

①飢え・渇きからの自由、②不快な環境からの自由、③痛みと疾病からの自由、④恐怖・抑圧からの自由、⑤生得的な行動を表出する自由、の

5つを指します。

5つの自由を確保するためには、当然ながら1頭あたりにかける世話の時間を、十分に確保する必要があります。

また、譲渡を目指す中では、人との関わりの時間をできるだけ持ち、トレーニングや、一般家庭での生活への準備を行う必要があります。

有給スタッフの勤務時間については、動物愛護管理法に示される基準を遵守すると共に、ボランティアの受け入れを積極的に行い、犬たちのケアの時間・犬たちと人の関わりの時間を確保していきます。

関わる人の幸せを大切にする

 私たちは、関わる人の幸せとは、犬のために何か役に立ちたい、社会貢献をしたいという尊い志を持った方たちが、

HDTの活動に関わることで、達成感や充実感、自己肯定感などの感情を得たり、自己成長できることであると考えています。

 

 HDTに関わる人すべてが、その活動を通じて、お互いを大切にできる仲間として共に成長していくことを願います。

そのためにはメンバーそれぞれが、他者の気持ちを大切にし、他者の立場に立ってものを考え、

常に他者への感謝の気持ちを持ち、それを言葉や態度で伝えることを常に心がけて行動をすることが何より大切であると考えます。

 

 このような形で関わるメンバー同士の信頼関係を育むことで、自然と共感や感動が生まれ、より多くの人・ボランティア活動者とのつながりが広がり、HDTに関わる人の幸せが循環する活動にしていきたいと思っています。


プロフィール

中谷 圭(なかたに けい)

1960年5月8日愛知県名古屋市生まれ

岐阜大学医学部卒業

医療法人社団圭明会 なかたにクリニック 院長

岐阜市医師会理事

医学博士

日本脳神経外科学会専門医

出逢いの森館主

NPO法人人と動物の共生センター理事

代表挨拶

 NPO法人HAPPY DOG TEAMは、殺処分に近い犬達の保護譲渡活動を目的とし、2017年11月に、岐阜県関市小瀬の「出逢いの森」を拠点として設立されました。

 

主に岐阜市と関市の保健所に収容された犬を引き取り、空調の効いた清潔なシェルターの個室で愛情深くお世話をし、心身のリハビリテーション、メディカルケアを施し、これまで多くの犬達を新しい家族へ橋渡ししてまいりました。また、譲渡できなかった犬達も、最期まで愛情と責任を持ってお世話をしております。

 

 設立6年目を迎えた今、NPO法人として将来を見据えた活動指針が必要と考え、この度改めて、当法人の活動理念、ビジョン、ミッションを明確にいたしました。

今後は理念に基づき、活動の範囲を広げていく所存です。

 

保護対象とする犬も岐阜県全体および隣接した地域に広げ、保健所に限らず、やむを得ない事情で飼えなくなった家庭犬や、多頭飼育崩壊・ブリーダー崩壊により行き場を失った犬達の保護にも携わりたいと思います。

また、保護活動に加え、セミナーによる啓蒙活動(ペットの正しい飼い方、ペット防災など)、子供たちへの教育(小学校への出張授業など)、企業や行政と連携した活動なども行っていく予定でおります。

 

2023年4月  NPO法人HAPPY DOG TEAM 代表 中谷 圭